1. サービス概要
AWS EC2 (Elastic Compute Cloud)
Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)は、AWSが提供するIaaS(Infrastructure as a Service)ベースの仮想マシンサービスです。
ユーザーは、オペレーティングシステム(OS)、CPU、メモリ、ストレージ、ネットワーク設定などを自由にカスタマイズし、必要な仮想マシンを作成できます。
EC2の主な特徴
- 豊富なインスタンスタイプ
- Auto Scaling & Load Balancing対応
- ストレージオプション
- EBS(Elastic Block Store)、EFS(Elastic File System)、S3(Simple Storage Service)と統合可能
- 強力なセキュリティ機能
- サーバーレスサービスとの統合
GCP Compute Engine
Google Compute Engine(GCE)は、GCPが提供するIaaSベースの仮想マシンサービスで、AWS EC2と同様の機能を持ちつつ、Googleのグローバルネットワークを活用できるのが特徴です。
Compute Engineの主な特徴
- カスタムマシンタイプのサポート
- CPUとメモリを自由に設定できるため、コスト最適化が可能
- Managed Instance Groups(MIGs)対応
- Auto Scalingや自動復旧機能を提供
- Live Migration対応
- メンテナンス中も仮想マシンを停止せずに稼働可能
- コスト削減オプション
- TPU(Tensor Processing Unit)対応
- AIおよび機械学習ワークロードの最適化
- Googleサービスとの統合
- BigQuery、Cloud Spanner、Vertex AIなどと容易に連携
2. 実際の導入事例と活用サービス
AWS EC2とGCP Compute Engineは、多くの企業で利用されています。
それぞれのクラウドプラットフォームでどのようなサービスと組み合わせて使われているのかを見てみましょう。
(1) AWS EC2の導入事例
Netflix(動画ストリーミングサービス)
- EC2:Auto Scalingを活用し、動画配信サーバーを動的にスケール
- S3:動画コンテンツの保存と配信
- CloudFront:グローバルCDNを活用し、コンテンツ配信を高速化
- RDS & DynamoDB:ユーザーデータの保存とキャッシュ
- Elastic Load Balancer:ユーザーリクエストを複数のサーバーに分散
Airbnb(宿泊予約プラットフォーム)
- EC2:ウェブアプリケーションとバックエンドサーバーの運用
- RDS(Relational Database Service):予約情報とユーザーデータの保存
- SQS(Simple Queue Service):非同期タスクの処理
- ElastiCache:キャッシュを利用して検索結果を高速化
- CloudFormation:インフラの自動化と管理
(2) GCP Compute Engineの導入事例
Spotify(音楽ストリーミングサービス)
- Compute Engine:バックエンドサーバーと機械学習ベースのレコメンドシステムを運用
- Cloud Spanner:大規模グローバルデータベースを管理
- Cloud CDN:高速なコンテンツ配信を実現
- BigQuery:ユーザー行動分析とレコメンドアルゴリズムの処理
- Cloud Functions:イベントベースのサーバーレス機能を活用
Snapchat(SNS & ARサービス)
- Compute Engine:ARフィルターやメッセージングサービスを運用
- Cloud Storage:ユーザーの写真や動画データを保存
- Cloud AI Vision API:顔認識およびARフィルター適用
- Cloud Functions:イベント駆動型のサーバーレス実行
3. AWS EC2 vs GCP Compute Engine 総合比較
📝 機能比較
比較項目 | AWS EC2 | GCP Compute Engine |
---|---|---|
使いやすさ | 豊富な機能を提供、直感的なコンソール | 簡単にセットアップでき、すぐにデプロイ可能 |
カスタムマシンタイプ | 固定インスタンスタイプ | CPUやRAMを自由にカスタマイズ可能 |
コスト削減オプション | オンデマンド、リザーブド、スポットインスタンス対応 | プリエンプティブVM、スポットVMで大幅なコスト削減可能 |
ネットワーク性能 | AWSのグローバルネットワーク | Googleのグローバルネットワーク(YouTube、Gmailと同じ) |
スケーラビリティ | Auto Scaling、ELB対応 | Managed Instance Groups(MIGs)対応 |
GPU対応 | NVIDIA GPUインスタンスを提供 | TPU(Tensor Processing Unit)を提供 |
メンテナンス中の可用性 | メンテナンス時にVMの再起動が必要 | Live Migration対応(ダウンタイムなし) |
セキュリティ & ネットワーク | IAM、Security Groups、VPC対応 | IAM、VPC Peering、Private Google Access対応 |
データ分析の統合性 | Redshift、Athena、Glueなどと連携 | BigQuery、Dataflow、Pub/Subなどと統合 |
📊 数値による比較(10点満点)
評価項目 | AWS EC2 | GCP Compute Engine |
---|---|---|
使いやすさ | 8 | 9 |
カスタムマシンタイプ対応 | 7 | 10 |
コスト削減オプション | 8 | 9 |
ネットワーク性能 | 9 | 9.5 |
スケーラビリティ | 9 | 9 |
GPU対応 | 9 | 10 |
メンテナンス中の可用性 | 7 | 10 |
セキュリティ & ネットワーク | 9 | 9 |
データ分析サービスの統合性 | 8 | 10 |
総合スコア(100点満点) | 80 | 94.5 |
🔎 最終まとめ
これで AWS EC2 vs GCP Compute Engine の比較(日本語版) が完成しました!
他に追加したい情報があれば教えてね 😊🚀