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データ統合の選択: AWS Glue vs GCP Data Fusion

AWS Glue vs GCP Data Fusion: クラウドETLサービスの比較分析

1. サービス概要

AWS Glue

AWS Glueは、フルマネージドのETL(Extract, Transform, Load)サービスで、データの収集、変換、ロードを自動化し、データ統合を効率化することができます。

AWS Glueの主な特徴

  • サーバーレスのETL処理
    • インフラ管理不要で、スケーラブルなETLジョブを実行。
  • データカタログ
    • 構造化・非構造化データを統合管理。
  • PySparkベースのスクリプト生成
    • Python(PySpark)でのデータ処理が可能。
  • ジョブの自動スケジューリング
    • Apache AirflowやAWS Step Functionsと連携。
  • 機械学習によるデータ分類
    • データ型の推論機能を提供。

GCP Data Fusion

GCP Data Fusionは、Google Cloudが提供するフルマネージドのETL/ELTサービスで、コード不要のデータパイプライン構築を可能にします。

GCP Data Fusionの主な特徴

  • ノーコードでETLワークフロー構築
    • GUIベースで視覚的にデータフローを作成。
  • Google Cloudエコシステムとの統合
    • BigQuery、Cloud Storage、AI/MLツールとの連携。
  • データラインエージ
    • データの出所や変更履歴を追跡。
  • リアルタイムストリーミング対応
    • Pub/Subと統合し、リアルタイムETLを実現。
  • オープンソース(CDAP)基盤
    • Apache CDAPを基にした拡張性の高いETLソリューション。

2. 実際の導入事例と活用サービス

(1) AWS Glueの導入事例

Eコマース企業(例: Amazon

  • 利用目的:
    • 顧客行動データの統合分析。
  • 連携サービス:
    • Amazon Redshift: データウェアハウス。
    • AWS Lambda: データ処理の自動化。

金融機関(例: JPMorgan Chase

  • 利用目的:
  • 連携サービス:

(2) GCP Data Fusionの導入事例

小売業(例: Walmart

  • 利用目的:
    • POSデータをリアルタイム分析し、需要予測を最適化。
  • 連携サービス:
    • BigQuery: データウェアハウス。
    • Cloud Functions: ワークフロー自動化。

ヘルスケア(例: Pfizer)

  • 利用目的:
    • 医療データを統合し、疾患予測モデルを構築。
  • 連携サービス:

3. AWS Glue vs GCP Data Fusion 総合比較

📝 機能別比較

比較項目 AWS Glue GCP Data Fusion
ETLワークフロー コードベース(PySpark) ノーコード/ローコードGUI
データ統合 構造化・非構造化データ対応 Google Cloudサービスとの深い統合
リアルタイム処理 一部対応 Pub/Sub経由でフル対応
データラインエージ なし あり
スケーラビリティ 高い 高い
価格モデル 処理時間ベースの従量課金 ジョブ実行ベースの従量課金

📊 数値による評価(10点満点)

評価項目 AWS Glue GCP Data Fusion
スケーラビリティ 9 10
ETLワークフローの柔軟性 8 10
リアルタイム処理 7 10
データ統合のしやすさ 9 10
総合スコア(100点満点) 86 96

🔎 最終まとめ

  • AWS Glue は、PySparkベースのETLワークフローが必要なエンジニア向けの強力なETLツール
  • GCP Data Fusion は、ノーコードでETLプロセスを簡単に構築し、Google Cloudとの統合を重視する企業に最適
  • エンジニアが柔軟なデータ処理を行いたいならAWS Glue、視覚的なETLパイプラインを効率的に管理したいならGCP Data Fusionが最適