AWS KMS vs GCP Cloud KMS: クラウド鍵管理サービスの比較分析
1. サービス概要
AWS KMS
AWS KMS (Key Management Service) は、AWS上でデータを暗号化するためのマネージド鍵管理サービスです。ユーザーが作成した鍵やAWSが管理する鍵を利用して、セキュリティ強化を実現します。
AWS KMSの主な特徴
- フルマネージド型の鍵管理
- AWSの各種サービス(S3, EBS, RDSなど)と統合可能。
- ハードウェアセキュリティモジュール (HSM) 対応
- AWS CloudHSMと統合し、高度なセキュリティを提供。
- カスタマー管理のキー (CMK) とAWS管理キー (AWS-KMS) の選択
- 顧客が独自に管理する鍵か、AWSが管理する鍵を利用可能。
- IAMポリシーによるアクセス制御
- 詳細な権限管理が可能。
- FIPS 140-2 準拠
- 規制要件を満たす高セキュリティ暗号化。
GCP Cloud KMS
GCP Cloud KMSは、Google Cloudでデータを暗号化するためのフルマネージド鍵管理サービスです。HSMによる鍵保護を提供し、データの機密性を保証します。
GCP Cloud KMSの主な特徴
- ソフトウェア&ハードウェアKMSの提供
- Cloud HSMと統合し、FIPS 140-2 Level 3に対応。
- Google Cloudサービスとのシームレスな統合
- Cloud Storage, BigQuery, Compute Engineと連携。
- キーのローテーションと自動管理
- 定期的な鍵の更新を自動化。
- IAMベースのアクセス管理
- Google IAMと統合し、きめ細かい制御が可能。
- オンプレミスやマルチクラウド環境対応
- 外部KMSと統合可能。
2. 実際の導入事例と活用サービス
(1) AWS KMSの導入事例
金融機関(例: Goldman Sachs)
ヘルスケア(例: Pfizer)
(2) GCP Cloud KMSの導入事例
Eコマース(例: Shopify)
- 利用目的:
- ユーザー決済情報の暗号化。
- 連携サービス:
- BigQuery: 暗号化データの分析。
- Cloud Storage: 安全なデータ保存。
政府機関(例: NASA)
- 利用目的:
- 高度なセキュリティ対策としての鍵管理。
- 連携サービス:
- Google Cloud HSM: FIPS 140-2 Level 3対応の暗号化。
- IAM: 厳格なアクセス管理。
3. AWS KMS vs GCP Cloud KMS 総合比較
📝 機能別比較
比較項目 | AWS KMS | GCP Cloud KMS |
---|---|---|
鍵管理の方式 | マネージド & HSM対応 | マネージド & HSM対応 |
サービス統合 | AWSサービスに特化 | Google Cloudサービスに特化 |
自動ローテーション | あり | あり |
アクセス制御 | IAMポリシー | Google IAMベース |
オンプレミス統合 | 一部対応 | 広範囲対応 |
FIPS 140-2 準拠 | Level 2 | Level 3 |
価格モデル | APIリクエストベース従量課金 | APIリクエストベース従量課金 |
📊 数値による評価(10点満点)
評価項目 | AWS KMS | GCP Cloud KMS |
---|---|---|
暗号化の強度 | 9 | 10 |
アクセス管理の柔軟性 | 9 | 10 |
サービス統合 | 10 | 9 |
オンプレミス対応 | 8 | 10 |
総合スコア(100点満点) | 90 | 96 |